津山市にて新設墓地。個人墓地申請から設計、建立まで。ラステンバーグ石で洋墓から外柵まで統一し、棹石へは家族のシンボル彫刻を。【前編~墓所作りから基礎工事・外柵、お墓の建立】

津山市、鏡野町、久米郡を中心に、岡山県全域にてお墓や石材のお仕事をさせていただいております、長尾石材の長尾です。今回は、津山市にて“デザイン洋墓”を建てさせていただきましたので、ご紹介いたします。

前編は【墓所作りから基礎工事・外柵、お墓の建立】をご紹介していきます^^

津山 墓

【津山市個人様墓地 デザイン洋墓】

お客様はご両親様と息子様の3人でご来店下さいまして、新しく墓所を設営されるご準備を進めていらっしゃいました。

早速、候補の場所を案内していただき、墓地の設置場所やお参りの道をどの様にされるか現地で相談させていただきました。図面を描き、測量をし、墓地への申請を進めていましたが、将来お孫様やひ孫様がお参りし、お掃除されます事を考えていましたら、他に墓地として可能な場所は無いか再度検討することとなりました。

もう少しご自宅から近く、車でのお参りもできる場所。お客様はお孫様の事を一番にお考えで墓地作りを考えておられましたので、この場所に墓地申請をされ建立できました事は本当に良かったと思います。

 

新しく個人墓地を設置するにあたり、市町村の担当の方へまず一番に候補の場所等を相談いたします。(許可申請前の事前相談)

私たちが普段何気なくお参りしているお墓ですが、新しく個人墓地をつくるには「墓地、埋葬等に関する法律(墓埋法)」に基づいて申請し、許可を得なければなりません。当社では役所での申請手続きのお手伝いもいたしますのでご安心ください。

 

申請許可後、着手届を提出しましたら工事の始まりです。新設墓所の伐根・整地をしていきます。

根が成長し、地面を隆起させたり、腐って陥没したりするとお墓が傾いたり、ズレたりと悪影響を及ぼすのでしっかり取り除きます。

 

続いて、擁壁・基礎コンクリート工事に入っていきます。

 

擁壁には鉄筋を組み、基礎コンクリートには防湿シート・ワイヤーメッシュ・スペーサーブロックを施し、ひび割れなく堅固な基礎をつくりました。

お墓の納骨部分は地下とつながるように、防湿シート・コンクリートを避けてあります。

お墓が完成すると見えない部分ですが、永代にわたってお墓を支える基礎工事部分は非常に重要です。日数を要し手間のかかる工程ですが、熟練の職人がしっかりとこだわりぬいた技術でとことん丁寧に施工いたします。

 

いよいよ外柵・墓石を組み立てていきます。

側面の部材を耐震ボンドで接着し、ステンレス製金具でしっかりと固定しました。

埋立部分には、鉄筋・ワイヤーメッシュを組みコンクリート打設しました。納骨室の換気パイプも設置してあります。

 

こちらは、墓石正面のお参り道の石張り作業で、仕上げの目地入れをしています。白っぽく見えます石も同じラステンバーグ石で、バーナー仕上げ加工をする事で滑り止めになるので雨の日でも安心してお参りいただけます。

 

外柵の土台部分が完成しました。参道のバーナー仕上げの石と磨きの石とのコントラストも良く、全体の石張りがきれいに仕上がりました。

 

納骨室です。お墓を設置しますと見えなくなる部分ですが、納骨室内の床は前方に石張り施工をしまして、後方はコンクリートや石は施工せず、地とつながる様に土を入れ、化粧砂を敷きました。地下へ納骨室を設けていませんので、大切なご遺骨が水没したり、流れ出たりといった心配はありません。

また、納骨室内の湿気を逃がす換気口も取付して、この換気口はパイプでつなぎ外まで貫通し、いつでも新鮮な空気が取り込めます。

 

作業はかなり進みまして、お墓部分の据付です。納骨室の上にお墓の台座となる石を据付しました。ここでも2種類の耐震ボンドを使用してしっかりと耐震施工します。

 

上台に続き、ローソク立て、花立なども据え付けていきます。玉垣も据え付けし、段々と形が見えてきました。

 

洋墓の下台、上台などを据え付けした後は、マスキングテープを貼りコーキング材を入れました。これは繋ぎ目への水の侵入を防ぐ為です。黒色の石に合わせ黒色のシリコンを入れました。

外柵、天板の石張り部分の繋ぎ目へも同様にコーキング材を入れました。

コーキング材の目地がきれいに仕上がりました。

目地がきれいに埋まり水鉢が設置されました。水鉢へは家紋を彫刻しています。

 

洋墓の据付は棹石を設置するところまで進みました。上台へは耐震のステンレスの棒を差し込み、耐震ボンドもたくさん使用し取り付けます。

 

工事を見守ってくださっていましたお客様(息子様とお父様)に両側から手を添えていただき、職人が後ろから安全を確認しながらゆっくりと作業します。

 

棹石の底面へはステンレスの棒の受け穴があり、そこへしっかりと留めていきます。お墓の完成が近づきました。シンボル彫刻をしました棹石の設置にお客様も満面の笑みですね。

 

洋墓をズームしてご覧ください!!!

棹石へはご家族様で相談して決めた「ま る」。そこに周りの自然の景色が映り込んで、とても穏やかな気持ちになりますね。

 

作業工程がとても多く、ご紹介が前後しますが、こちらは墓所右側へ設置しました墓誌(霊誌)の取付です。まず墓誌の下台を据付しますが、吸盤を使い二人で息を合わせ、乗せます。吊り具や手作業ができない狭い場所へ設置するときは、このような吸盤を使用します。

 

墓誌と塔婆立の完成です。寿陵墓の建立ですので、墓誌へは家名と宗派の梵字のみを彫刻しています。白色を入れましたのでとても映えます。塔婆立も洋風に設計しました。省スペースでスリムに立てれます。台座へは塔婆が立ちやすく、横ズレを防ぐ為、溝切り加工をしました。

 

後編【お墓の詳細・文字彫刻】を読む